年々成長を遂げるデジタル広告市場ですが、「アドフラウド」と呼ばれる広告詐欺の手口により、広告主が「実際には起こらなかった成果」に対して対価を支払わざるを得ない事例が発生しています。本記事では、広告詐欺であるアドフラウドの基礎知識と対策方法を解説します。
アドフラウドの種類
アドフラウドのさまざまな手口を紹介します!
自動化プログラム
「プログラムによって作成された Web の動作を人間の操作に見えるようにする手法」という自動化プログラムで、最も多いアドフラウドの手口です。特に、悪意のあるプログラムは、広告を閲覧するユーザーの行動を操作し、クリック数とインプレッション数を増加させます。
ドメインのなりすまし
信頼できる主要な Web サイトのドメインになりすますことにより、不正に多くのインプレッションとクリックを獲得し、広告主から広告費をだまし取る手口です。
クッキースタッフィング
広告成果につながる行動を取ったら、正しくないクッキー情報を書き込み上書きをし、広告の貢献を偽装する手口です。
隠し広告
ユーザーには見えない表示領域外に広告を表示したり、他の広告を重ねたりして、インプレッションやクリックを稼ぐ手口です。
広告挿入
「インジェクタ」と呼ばれるプログラムによって、表示されるべきではない場所に広告を表示したり、表示されている広告を置き換えたりする方法です。
位置情報の偽装
1クリックあたりの料金も国や地域によって違うため、現地の単価より高い位置情報を偽装し、広告費を水増しする方法です。
クリックファーム
複数のモバイル端末やパソコンを用意し、人力やボットを利用して大量のクリックを発生させる手法を指します。
アドフラウドへの対策
様々なアドフラウドの手口を理解したところで、対策も見てみましょう!
アドフラウド対策ツールやシステムを導入
広告検証ツールを提供しているプロバイダのツールを利用する方法です。ディスプレイ向けには Integral Ad Science、Doubleverify、MOAT、Momentum、アプリケーション向けには SpiderLabsなどが有名です。
ユーザーの挙動をモニタリングと解析
ボットなどのプログラムを利用したアドフラウドの場合、異常に活動率の高いユーザーを提示できます。また、ユーザーのデバイスがハッキングされると、「CTIT (Click to Install Time)」時間が人為的に短縮されます。これが約 10 秒ごとに発生する場合は、アドフラウドによって自動的に行われている可能性が高いと考えればいいです。そういった不自然な動きで判断する方法です。
自社でブラックリストを作成
不自然な動作を繰り返しているIPや不適切なサイトを見つけた場合は、広告配信プラットフォームの運営者に報告し、ブラックリストを作成する方法です。また、「怪しいメディアなどに出稿しない」こともおすすめします。
最後に
「アドフラウド」がどう働いているか、少しでも理解してもらえましたか?日本でも過去に大手ECサイトを装った詐欺が起きているので、「不正行為が存在する」ということを意識し、被害にあわないように気を付けましょう!